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「登山届提出を」、遭難件数の歯止めに効果 2011.10.28

 秋山シーズンを迎えた西丹沢。紅葉の見ごろを迎える11月は登山者でにぎわう。入山者が増えて遭難が多くなる時期でもあるが、登山届の高い提出率が予防効果を挙げている。
 交通アクセスの悪い西丹沢は、登山者が東丹沢や箱根に比べて少ない半面、自然が残されている。首都圏近郊で静かな山歩きを楽しめる山域だ。
 県立西丹沢自然教室(山北町中川)が、人気の檜洞(ひのきぼらまる)丸や畦ケ丸(あぜがまる)への登山口になっている。年間入山者は約1万2千人。最近は中高年に加えて、「山ガール」と呼ばれる若い女性の姿も見られ、増加傾向が続いているという。
 登山者の増加に伴って全国の山岳遭難件数は過去最多を更新している。有効な対策として警察や自治体が登山届の提出を呼び掛けている。目的地やルート、緊急連絡先などを書き入れる簡単な書面だが、提出はまだ少ないのが実情だ。
 同教室は数年前から松田署と協力、訪れる人へ積極的に声を掛け、登山届の記入を求めている。担当者は「山頂で行った調査で9割以上が提出済みだった」とマナーの徹底に手応えを感じている。
 一方、同署山岳救助隊によると、昨年1年間の管内の山岳遭難件数は28件。このうち登山届の提出は8件にとどまった。事前の準備に注意を払わない登山者の姿勢が遭難を招く実態を浮き彫りにした。
 山岳救助隊は「登山者が増える中で、遭難件数が横ばいで推移しているのは登山届の効果とみている」と指摘している。
 今年は登山道にも台風の被害が及んだ。大半は改修が完了したが、昨年の遭難原因トップだった「道迷い」の危険性は高まっている。関係者は、余裕のある計画とヘッドランプなど万全な準備を呼び掛けている。(10月28日 神奈川新聞から転載)

登山計画書は神奈川県警のHPからダウンロードすることができます。

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