速くなるにはまず減量 2012.5.25
5月25日付の日本経済新聞朝刊に「速くなるにはまず減量」 1キロで3分、本当? 体重と自己ベストで計算すると・・・との記事が掲載されていた。
確かにマラソンのトップクラスのランナーは、スリムな体形をしており、体脂肪率も10%前半。これを見る限りでは、体重が軽い方がマラソンのタイムは速くなるということは何となくわかる気がする。
福岡大スポーツ科学部運動生理学研究室の田中宏暁教授の説によると軽量化しただけで、かなりの記録更新が望めるとのことである。「1キロやせれば、3分速くなる」といわれているが、それは本当か?
福岡大スポーツ科学部運動生理学研究室の田中宏暁教授は早くから、減量の効果の大きさを唱えている。減量こそが、速くなるための手っ取り早い方法だという。
その効果のほどを割り出すには以下の計算が必要になる。
あるスピードで走ったときの、体重1キロ当たりの毎分の酸素消費量は式1で求められる。
マラソンを3時間30分で走ったとすると、分速は201メートル(1キロをほぼ5分)になる。この値を式1のXに入れて計算すると、マラソンを3時間30分で走るには、1分間に体重1キロ当たり43.7ミリリットルの酸素を消費するのがわかる。
つまり、体重60キロのランナーは1分間に2622ミリリットル(43.7×60)を使うが、50キロの人は2185ミリリットル(43.7×50)で済む。2人の酸素を供給し続ける能力が同じとすると、50キロのランナーの方がスピードが出せるということになる。
では、たとえば体重60キロで、自己ベストが3時間30分のランナーが酸素摂取能力が同じままで、体重を3キロ減らすと、タイムをどれだけ縮められるのか。
前述した通り、体重60キロでは1分当たり43.7×60=2622ミリリットルの酸素を消費する。
この2622を57で割った46を、式1のYに入れて計算する(46から3.5を引いて0.2で割る)と、3キロ減量後の57キロでのスピードは分速212.5メートルと出る。このスピードで42.195キロを走ると、タイムは3時間18分台になる。
田中教授が作成した表は3キロ減量すると、フルマラソンをどれだけ速く走れるかを示したものだ。
たとえば体重が70キロで自己ベストが4時間のランナーは、3キロ減量しただけで3時間48分へと12分も短縮できる。もとの体重が軽いほど、持ちタイムが遅いほど、減量による短縮幅は大きいことがわかる。
高校時代は中距離の選手だった田中教授は37歳の時に初マラソンに挑んで4時間11分。46歳のときの2度目のマラソンは3時間30分までタイムを縮めた。
その後、エンジン性能=酸素の供給能力は同じままでも、10キロ減量すれば3時間が切れるという計算のもと、3カ月での10キロ減量を経て、2時間55分でサブスリー(3時間切り)を達成した。
(以上、5月25日付 日本経済新聞から転載)
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